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【写真素材】モデルリリース・プロパティリリースとは何?

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こんばんは。だい()です。

本記事では「写真素材を使う際によく聞くモデルリリース・プロパティリリースとは何か?」を解説します。

この2つの言葉は特にフリー素材を扱うときの権利に関わる非常に重要な言葉で、写真素材の撮影内容(人物、建物、企業ロゴ、ペットなど)に対して許可を得ているかどうか?というものです。この詳細を解説していきます。

写真・画像素材を利用する際に、権利関係のトラブルに巻き込まれないために必要となる知識ですので、ブログなどで写真・画像を使っていて心配な方は記事をご覧ください。

モデルリリースとはどういうものか?

女性が頭に指を当てて考えている様子

モデルリリースに関する情報はストックフォトサイトであれば、ほぼ説明が記載されていると思いますが気にせず使っている人もいるかも知れません。ここでは、国内企業である写真AC、PIXTA(ピクスタ)2サイトの文章を引用させて頂きながら分かりやすく解説していきます。

モデルリリースとは?

端的に説明すると、写り込んだ人物の肖像権の撮影および使用許可を得ることを指します。下記に上記の2社が説明している内容を引用したものを記載します。

写真ACでの説明

写真ACにアップロードする素材で、被写体に特定可能な人物が含まれている場合、被写体となる人物から撮影する許可と写真の使用を同意してもらう肖像権使用許諾書(モデルリリース)が必要となります。ダウンロードユーザーやモデルとのトラブルを避ける為にも、必要な場合には必ず被写体に同意を得てください。
モデルリリースを取得していない場合、特定可能な人物が含まれる写真はアップロードできません。

引用:写真AC ー モデルリリース申請

PIXTAでの説明

「モデルリリース」とは、肖像権を持つ被写体の人物に署名をしてもらうことで、販売用ストック素材への使用を同意してもらう肖像権使用同意書のことです。
モデルリリースを取得しPIXTAに申請すると、販売画面で「モデルリリース取得済み」という表示がなされ、購入者にとっても安心して使える素材となります。

引用:PIXTA ー モデルリリースについて

両社比較をして頂くと分かると思いますが、内容は同じことを説明しています。

被写体となる人物が存在する場合、それが個人を特定できる状態(拡大すれば分かるなども含む)にある場合は、全ての人物から撮影・使用許可を得るのが基本です。

なぜモデルリリースを取得するのか?

モデルリリース取得する理由は、人には肖像権と呼ばれる権利があり、これが侵害されることによって起こるトラブルを避ける為です。

肖像権は自分の顔や姿を無断で写真撮影されたり、イラスト化されることにより不快感や不利益を被るリスクから個人を守るための権利です。世の中には自分を撮影されることに加え、それが公然と晒されるのを不快とする人は多くいます。こういった個人の権利を守るのが肖像権です。

この肖像権を侵害すると下記のようなトラブルが生じます

肖像権侵害がもたらすトラブル例

  • モデルリリースを取得していない人物写真を利用していたため掲載差し止めになった(写真差し替えが必要)
  • 肖像権侵害を指摘され、個人への賠償金を支払うことになった

トラブルを起こしてしまうことは、差し替えのためコストアップに繋がるほか、イメージダウンにも繋がる大きな問題です。こいったトラブルを避けるため、予めモデルリリース(肖像権使用同意書)を取得しておくのが基本になっています。

各サイトによって権利取得状況が異なりますので、『サイト名+モデルリリース』で検索してみましょう。これで大体の場合は、各サイトの体制がどのようになっているのか確認することができます。

プロパティリリースとはどういうものか?

水路が見える建物の写真

こちらも先ほど取り上げた2社が説明してくれていますので、引用させて頂きながら説明していきます。

プロパティリリースとは?

端的に説明すると、写り込んだ人物(モデル)以外の被写体の撮影および使用許可を得ることを指します。下記に上記の2社が説明している内容を引用したものを記載します。

写真ACでの説明

プロパティリリースとは、特定の建物や店舗・施設・アート作品・デザイン性のある商品・個人所有のペットなど第三者の著作物が写っている場合、その被写体の権利所有者に撮影する許可と写真の使用を同意してもらう許諾書のことです。

引用:写真AC ー プロパティリリース申請

PIXTAでの説明

プロパティリリースとは、自分以外の個人・法人が所有・管理、あるいは権利を保有する被写体(建物・敷地や、ペット、アート作品など)が含まれる場合、その被写体の所有者にストック素材としての販売を同意してもらう許諾書のことです。

引用:PIXTA ー プロパティリリースについて

モデルリリースと少し説明内容が変わったのが分かりますか?モデルは人物でしたが、プロパティは人物以外で許可を得るべきものという位置付けです。

モデルリリースは肖像権があるため、「許可を得ないとまずいかな?」と感じる方も多いかも知れませんが、「それ以外ってそこまでやらないといけないの?」と思われる方も少なくないと思います。しかし、やはり問題が生じる可能性は否定できません。

プロパティリリースを取得していない場合に起こるトラブル

引用している言葉を借りると『第三者の著作物』と書かれていますが、それが被写体として映っていることにより、その写真の価値が上がる可能性、または下がる可能性があることが問題となります。(つまり相手の著作物の価値・イメージが侵害されるということ)

例えば某遊園地のキャラクターが撮影されている素材を使用する場合などはそれに当たると思います。それが、写っていると基本的には価値が上がると思います。そういったものを、自身の著作物(商用・販売目的)として使用することは訴訟リスクがあることを知っておかなければなりません。

写真素材を利用するとき、リスクを冒さないための基本的な対策方法

男性が指を指してポイントを指摘している

ここでは、上記で説明したようなトラブルに対してどのように対応するべきか?基本的な対策方法を紹介します。

トラブル発生を未然に防ぐ基本的な方法

  • モデルリリースを取得している写真を使用する
  • プロパティリリースを取得している写真を使用する
  • リスクが生じる可能性がある部分はトリミングまたはぼかし処理を施す

上記の考えに基づき対応するのが良いです。ただし、全体の写真でモデルリリースの取得率はかなり高いですが、プロパティリリースの取得率は少ないと思われます。

その際のリスクに対する対策方法は、リスクがある(心配に感じる)部分をトリミングやぼかし処理で分からないようにするという方法です。

ですが、結構難しいのが大丈夫なのか?自分では判断できない場合があるという点です。その場合は、『使わない』が原則です。

これは大丈夫か?というのを運営側に判断して欲しいという方もいらっしゃると思いますが、それは難しいと思われます。

写真の使われ方(どういうものに使って良いのか?など)に関する質問は答えてくれますが、写真の内容に対するリスクは各自の判断に任せるという姿勢が多いので、利用規則を読んだ上でリスクがあると思えば、その個所を処置して写真を利用するしかないのが現状です。

これらの内容を理解した上で、写真を有効活用していきましょう!素材の使用ルールに関する部分が気になる方は下記の関連記事もご覧ください。

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