画像の著作権は大丈夫!?フリー素材の落とし穴【著作権違反は他人事じゃない】
こんばんは。だい(@dai_stockphoto)です。
今回は、インターネット上で使われる画像の著作権について解説していきます。インターネット上では、ありとあらゆる画像が溢れており、Googleの画像検索を利用すれば、自分が気に入った画像を探すのも簡単な世の中になりました。一方でその画像を利用する際の問題が多く生じるようになったのも事実です。
表題にある通り、フリー素材という名称は「何に利用しても大丈夫!」と思われている方も多く居ますが、そこに落とし穴があるのが現状です。情報を発信する立場にある方は、今一度自分が扱う素材に問題が無いか見直す機会にして頂ければと思います。
本記事では「実際に起きた著作権問題からの学びやフリー素材に関する知識」を分かりやすく解説しています。サイト上で画像を扱っている方はぜひ見ていってください。
もくじ(本記事の内容)
実際に起きた画像の著作権問題に関する判例(アマナイメージズ事件)
これは実際に起きた事件の民事裁判の話です。ホームページ上で画像を扱う上で『ここをしっかりとやるべき』という判決が出ていますので、こちらをまずお話していきます。
この事件の概要ですが、フォトストックサイト(画像提供サイト)を運営する株式会社アマナイメージズが有料で提供していた写真(原告側3名に権利がある写真)を許可なくホームページ上にアップしていた問題に対して、著作権の侵害を認め賠償金の支払いを命じた民事裁判です。
写真の入手先については不明(不確定)としながらも、被告側にホームページ作成経験があり、権利不明の写真を掲載することにより著作権を侵害する可能性を予見できたと判断。著作権等について調査・確認する義務を怠ったという重大な過失を認める判決となりました。
※上記解説は筆者の意見が含まれており、判決文の内容と異なる可能性があります。詳しくは参考文献をご覧ください。下記に表示しておきます。
判決概要で重要な点は下記の通りです
- 識別情報や権利関係の不明な著作物の利用を控えるべきことは,著作権等を侵害する可能性がある以上当然
- 警告を受けて削除しただけで,直ちに責任を免れると解すべき理由もない
上記は判決概要は【裁判所HP ー アマナイメージズ事件】からの引用
この2つのポイントから、サイトで画像を扱う場合、下記の点に注意するべきだと言えます。
この事件の判例から注意すべきこと
- 使用する画像の著作権・利用規約をきちんと調べ、分からないものは使用しない
- 警告を受けたら削除すれば良いという考えはやめる
この2つについて解説します。
使用する画像の著作権・利用規約をきちんと調べる
当たり前のように思えますが、やれていないという方も実際にはいらっしゃるようです。面倒かも知れませんが、後々トラブルになることを避けるためには、使用する前にきちんと、著作権・利用規約を調べるようにしましょう。
また、検索で見つかったものを利用しても構いませんが、著作権を調べられない場合も多くあると思います。そういった場合には絶対に利用しないことです。
警告を受けたら削除すれば良いという考えはやめる
「注意されたらやめれば良いでしょ?」と考えている方はその考えをやめましょう。今回の判例も警告を受けたあと削除した経緯があるとの記載がありますが、賠償責任は生じています。健全なサイト運営をするためには、そもそも警告を受けないように準備するべきだと言えます。
以上の2つのポイントが画像を正しく使用する上で大切なポイントになると思いますので、しっかりと心に留め実践して行きましょう。
フリー素材の落とし穴!フリーという言葉を紐解きます
健全な運営をしているつもりでも言葉の解釈が間違っていては、健全に運営できるとは言えません。特に大きな落とし穴が『フリー』という単語です。
フリー素材と言われる素材は『著作権フリー』と『ロイヤリティーフリー』の2つが含まれて表現されている場合があります。これをしっかりと理解しておくことが、上記にもあった後のトラブルを無くすために大切になります。2つのフリーを簡単に説明していきます。
著作権フリーとは何か解説
著作権フリーとは、本来の意味で言うならば文字通り著作権自体がフリーになった(放棄された)画像になります。しかし、日本で言う著作権フリーは実際には著作権がフリーでないものが多いようで、一定の条件下(リンク・クレジット表記をするなど)において利用を自由とし、著作権料を必要としないという解釈が一般的なようです。
上記の理由から、著作権フリーだから自由に使って良いはず!と思って使っていると規約違反を申告される可能性も否定できません。
もう一点、注意しないといけないポイントとして、著作権フリーはあくまで、撮影者(制作者)の著作権についてであり、人物写真等の場合、被写体の肖像権にまで言及されていない可能性があります。なので、この辺も著作権フリーと言われている範囲はどこまでになっているのか?しっかりと把握する必要があります。
著作権フリーの解釈は非常に分かり辛いため、著作権フリーと書かれていた時には文字通り『何に使っても良い』と解釈するのではなく、著作者に確認を取る方が無難です。
ロイヤリティーフリーとは何か解説
ロイヤリティーフリーとは?
ロイヤリティフリーとは、写真画像をはじめとする著作物の使用許諾の方式のうち、使用するたびに許諾を得る形ではなく、1度の購入手続きで利用期限や使用回数を気にせず使い回せるよう設定されている素材もしくはライセンスのことである。
ロイヤリティフリーとして提供されている著作物は、あらかじめ取り決められた許諾の範囲内であれば、いつからでも、いつまでも、何度でも、複数の媒体にも、同じ素材を使用できる。複数回使用する際にも追加の使用料を支払う必要がない。ただし許諾範囲に一定の制限が設けられている(逸脱する場合は別途料金が必要になる)場合はある。また、著作権は提供者側が保持しており、譲渡も放棄もされないため、他メディア上での使用を禁止したり、第三者へ提供したりはできない。
Weblio辞書より引用
上記の引用内容の通りです。ロイヤリティーフリーと書かれていた方が、内容がはっきりとしているため、利用者側からすると安心して利用することができます。ただし、決められた許諾という意味では、提供する人やサイトによって異なりますので、利用規約の確認が必須だと言えます。
注意すべき点は、あくまで利用可能になるだけであって著作物の所有権を得るという意味でないことは忘れてはいけない部分です。間違えると著作権違反になりますので注意が必要です。
フリーと言う内容に対して言える事は、本当の意味でどんなことにでも使って良い(例えば、自分の所有物にして良い=加工して販売して良い、どんな表現にでも使って良い=アダルト系などで使って良い)しかも無料であるという著作物はかなり少数だと言えますので、『フリー=無料で自由に使って良い』の考えは改めた方が良いです。
画像の使用者が気を付けるべきことや取るべき対策まとめ
上記までの事を踏まえ、画像を利用する場合のポイントをまとめてみます。
画像使用時のポイント
- 使用する画像の著作権・利用規約をきちんと調べ、分からないものは使用しない
- フリーと言う言葉に惑わされず、写真が使える条件・範囲をきちんと把握する
主にはこの2つが重要ですね。個人が著作権の権利処理をするのは結構手間が多く大変なので、それらを簡単にする対策として2案上げておきます。
おすすめの対策法
- ストックフォト(画像提供)サイトを利用する
- 写真やイラストを自作する
ストックフォト(画像提供)サイトを利用する
これが一番簡単な方法ですね。信頼のあるサイトは非常に多く、利用規約もきっちりとしているため不安なく使えます。ただし、条件は各社異なりますので、利用規約をきちんと把握することは忘れてはいけません。
例)加工、リンク・クレジット、商用利用、販売、利用範囲など
コストと利用条件で選ぶなら僕も使っている写真ACがおすすめです!無料でも利用ができ、リンク・クレジット不要。また、加工が自由・商用利用も可能です!興味がある方は関連記事から確認してみてください。
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写真やイラストを自作する
道具を持っているか?スキルを持っているか?といった点に難がありますが、著作権を一番気にせず済む方法です。また、オリジナリティを一番出せる方法でもありますので、道具・スキルを持っている方におすすめです。
対策方法も色々あると思いますが、かける時間に対する効果を期待できるようにするのがおすすめです。
著作権は難しい一面もありますが、守れていない場合、知らなかったでは済まされないという点もありますので、最低限の知識は身に付けた上でサイト運営を行っていきましょう!
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